世の中にはたくさんの「文章術」なるものがあるけれど、そしてそれらは、ある一定のスキルまでの近道となってはいるけれど、最後に行き着くところは「重量」だと思っています。
それは文字数の多さやの内容の重みではなく、たとえば、読後がライト感覚の文章でも、ずっとその人のなかに生き続ける文章、言葉。
ふわふわ飛んで行きっぱなしにならない文章。
重心があって根を張る力のあるもの。
私はそんな文章が、よい文章だと思っています。
目の前の人に(読んでほしい人に)良い評価をされれば、それはすでに傑作。
伝えたい相手に、伝えたいことが、伝えられれば最高。
だから「最高の文章」というのは比べる対象もなければ、誰にも書けるものなのです。
よく「上手に文章が書けない」「文を書くコツは?」という相談をいただきますが、「誰にとっての良い文章なのか?」を考えれば解決の糸口が早く見つかります。
誰のための文章なのか。
誰を光らせるための言葉なのか。
誰の心のなかに重しを置きたいのか。
パソコンの前の私の中で、いつもいつも何往復もしている自分への暗示です。