あるショップ店長さんと打ち合わせをしていたときのこと。
「どうしてこの仕事をはじめたのですか?」
私はリサーチを兼ねて、毎回クライアントさんに質問をします。
クライアントさんは、そこに投じる想いや背景を語ってくれ、そこを糸口にライティングを進めていきます。
クライアントさんにはそれぞれ、唯一無二の物語があり、唯一無二の展開があって今があります。
それは、起承転結のある理路整然としたものではなく、もっと泥くさくて、苦しくて、明るくて爽快な、体温のある体験や信念があって、全部のエピソードも組み込んでいきたいくらいです。
そして、執筆のためのリサーチなのに、毎度のことながら私の中にモチベーションの火を灯されます。
と同時に、話をうかがっているうちに、自分の甘さに気付かされるのです。
みんなみんな、
大きくも小さくも抱えているものがあって、
踏ん張っている、我慢している。
私も負けていられない、
動かずにはいられない。
不安も憂鬱もヘーキな顔して乗り越えられる。
大丈夫、大丈夫。
恐れるな。
怖がるな。
引っ込むな。
前へ、前へ。
そこに「普通」はないのです。
いや、もともと普通なんてなくて、枠を飛び越えた向こうに広がる景色が、その人の普通を作っているのだと感じました。
私は何を怯えてるんだろう?
今すぐに動かなきゃ。
でないと、何も始まらない。