「伝えたいことがあるのに、それをうまく言葉にできない。」
「もし言葉にできたとしても、自分の思うイメージどおりにいかなくて、なんか雰囲気も違うふうに伝わってしまいそうで怖い。」
ネットショップを運営している方から、そんな話をよく聞きます。
本当はこう思っているのに、違う意味で(それもイメージ悪く)伝わってしまうことってありますよね。
言葉ってホント、難しいです。
インターネットではなおさらです、表情が読めないのだから。
でも、今の時代、WEBを使いこなすって結構大切。
それは趣味発信のSNSや、ビジネスでの活用も問わず。
あんなに仲良かったのに、あの一文で前みたいに気軽にコメントできなくなっちゃった…、なんてこともよくあることです。
この記事では、脳科学や心理学の本が好物で、それらを活かそうと試行錯誤した私が感じる、ちょっと意識すればできるかもしれない「伝わる方法」を書いてみようと思います。
(ロジカル思考が苦手な、やや女性寄りの記事です。ですが、女性を顧客に持つ男性オーナーの方のお役にも立てるかなと思います。)
イメージや感覚を言葉で表すメリット
ビジネス界隈では特に、「論理的に」とか「ロジカルに〜」が重視されます。
ちょっと前までは「ビジネスに感情はいらない」みたいな風潮もありましたね。
(今もあるけれど、私のまわりは少なくなりました)
確かに文章もトークも論理的に伝えることは、大切かもしれません。
けれど、それは「ちゃんと伝わる」という結果が大前提の話。
どんなにロジカルに話をされても、言いたいことがまったく伝わってこないのなら意味がないですよね。
文の構造もしっかり型通りで、文法もバッチリだからといって、それが良い文章とはかぎらないし。
つまり、伝わってこそ、なんです。
たとえ言葉にならない感覚だとしても、相手に伝えたいことをちゃんと伝えられることが第一です。
そう考えると、無理して論理的じゃなくてもいいのでは?と思いませんか。
たとえ感覚的であっても、言いたいことや伝えたいことが言葉にならない「何か」であっても、それはちゃんと役割を果たしていることになるんじゃないかな。
たとえば「もらい泣き」なんてそうですよね。
言葉に変わる涙が、感情のしずくとなって目からこぼれる。
それをみた人が、言葉なく涙を流すその人の気持ちを感じとっているんです。
それってもう、言葉以上にグイグイ胸に強く響くものなのかもしれません。
ただし、それは涙を流す人がそばにいるときの話。
ブログやSNS,PR、アピールなど文字上では、温度と質感のある涙を直に伝えることは難しいです。
そこで、やっぱり必要になるのは「言葉の力」。
目の前の涙にはかなわないけれど、それを1ミリでもそばに感じられるような言葉を添えることはできるはずです。
こういうのを「シズル感」って言います。
五感を刺激する言葉、ってコピーの世界では言われています。
言葉にのせて五感を伝えることができると、一気に相手との距離は縮まるんです。
論理的な思考や文章が苦手でも、こうした五感を働かせる文章を添えることができれば、無理にロジカルに向かおうとしなくてもいいんです。
むしろ、言葉では伝わりきれない感覚まで伝えることができるんじゃないかな。
【案外シンプル】想うイメージを言葉で伝えるには
私のこれまでの経験ですが、主に2つのポイントが挙げられます。
「つかむ」そして「落とし込む」
伝えたいことを深く「つかむ」。
当たり前のことですが、このシンプルなルールが案外、落とし穴になっていることが多いです。
つまり、イメージや感覚を伝えたいのに伝えきれないのは、「自分の中に落とし込めていない」ということが多いです。
中途半端な状態で相手に伝えようとすると、スカスカの伝わり方しかできません。
これは、自信のなさが文章に表れてしまうからなんです。
どんなに自信を盛り付けても、相手に伝わってしまいます。
(この場合の特徴として、無駄にいらない単語が多くなったり、まわりくどくなったりして、読み手に違和感を与えることが多いです。おそらく自信のなさをカバーしようとして、余計なオプションで囲おうとしているのだと思います。)
そうならないためにも、まずは「つかむ」こと。
きちんと自分に落とし込んで、仕込んで、消化して、言葉におこすことが大切だと思います。
先ほどの「もらい泣き」の例で言うと、
もらい泣きのシーンをリアルに思い出し、思い浮かぶ言葉や感情をいったん書き出します。
ぐちゃぐちゃでいいので、とにかく頭の中にあるものを外へ出すのです。
その際に注意することは、感情だけでなく、そのときの状況(環境や事実)も書いていってください。
人に何かを伝えるとき、感情と状況の融和がキモになります。
肌心地は?
耳に入ってくる音は?
感覚は?
気持ちは?
どこを見てる?
なにが見える?
どうしたい?
これらの言葉ですが、書いているうちにたくさん出てくるようになります。
こんなことを言うと、雑で無責任に思われてしまうかもしれませんが、文章っていうのは「どれだけ書いたか」が圧倒的スキルになるんです。
それもただダラダラ書くのではなく、きちんと目的を持って書く経験。
伝えたい、
それも立派な目的ですよ。
伝えたい。
ならば、書く、書く、書く。
根性論ではないですが、書くことが一番の近道なんです。
相手が男性か女性かで文章の構成を変える
上記の「つかむ」ですが、私の案件は女性を対象としているPRが多く、このあたりは一番神経を使うところでもあります。
なぜかというと、男性はスキルや機能重視(つまり結果)でものごとを選択する傾向が強いので、それらの記載をすれば興味を持ってもらえることも多いのですが、女性はまったく違うからです。
女性は想像力をMAXに働かせ、自分の心地や感覚を重視してチョイスするので、表面的な言葉の並びでそれっぽく装っても敏感に感じ取られてしまい、かえってその会社の(もしくはオーナーさんの)評価を下げてしまうことさえあります。
そのくらい、女性にとっては「感じる」って大切で、伝える側も集中しなければならない部分です。
このことから、相手が男性か女性かで文章の構成を変えていく必要があります。
つまり、
・男性に何かを伝えたいときは、まずは結果を先に伝える(結果重視)
・女性に伝えたいことがあるときは、結果よりもその過程を大事にし、感性に響くことを意識する。
こんな流れで運ぶと、相手にこちらの気持ちが誤解なく伝わりやすくなります。
私見たっぷりなまとめ + おまけ
これは私の肌感覚なのですが。
ちょっと前までは、アピールとか、セールスとか、広告とか、そういったコピーライティングは「型」みたいなのがあって、それを応用するのが王道みたいな風潮がありましたが、昨今は変わってきています。
PRとか口コミとか、そういう境界線も薄れてきているように感じます。
だからこそ、薄っぺらい表現ではなく、ちゃんと深みのある想いのこもった文章でないといけないと思うのです。
SEOとか、トリガーとか、そういうのに振り回されるのではなく。
私たちはあらゆるシーンにおいて誰もが、
伝える側でもあり、伝えられる側でもあります。
表面だけ取り繕ったメッキは、すぐに剥がれてしまいます。
ぜひこれからは、あなたの心で感じ、あなたから生まれた言葉で、伝えたいことをちゃんと届けてほしいと思います。
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おまけ◎
心理学や脳科学を「推し進めるためのテクニック」として利用するのではなく、逆に、叶えるためのスパイスや護身のような「防具」として知っておくと良いと思います。
矛は武器でもあるけれど防具にもなり、盾は防具だけれど武器にもなる。
まさに矛盾。
私たちのフォーカスする視点の方向次第で、あらゆるものは正反対の顔を持っているのですね。
普段、私たちを手こずらせている身の回りの問題のほとんどは、とらえ方次第で案外スムーズに解決できるものなのかもしれません。