ワタシリズムに気づく ー 心と文脈 ー

読書室

【女性の成功を言語化】サード・メトリック(アリアナ・ハフィントン)

女性がイメージする成功の形が言語化されている本を、やっとみつけました。
(もちろん男性にも共通点がいっぱいでオススメです)

一般的には「成功」というと、収入(利益)、名誉(権威)がまず思い浮かびますね。
きれい事なしの、現実的なキーワードです。

けれど私がいつも思うのは、女性の願う成功って、通常使われる「成功」という言葉のイメージと少し違う気がしています。

ここには男女の本能の違いもあるらしいけれど、ならば、その違いもきちんと考慮して成功を目指しその結果を掴まないと、あるはずの幸せを「幸せ」として感じ取れないんじゃないかな。

こんなことをうまく言語化してくれている本はないかな、とずっと探していましたが、今回「これだ!!」と思える本と出会えたので、紹介したいと思います。

サード・メトリック

『サード・メトリック』という本です。

アリアナ・ハフィントン著

 

 

 

 




この本の著者は、ハフィントンポストの創設者であるアリアナ・ハフィントンです。
(ハフィントンポストは、アメリカの社会情勢や政治、ビジネス関係などのソーシャルニュースで日本版もあります)

「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれたことがあります。

自分らしい人生を生きるには、世間の成功の基準(お金と権力)だけにとらわれない、3番目の基準「サード・メトリック(第3の価値観)」が必要だ、ということが書かれています。

この「第3の価値観」が、世界中の多くの女性から支持されいるのです。

第3の価値観とは、次の4つで構成されています。

・健康と時間と自分の余白を整える「幸福」
・世間の価値観の枠にはまらずに、自分の成功を再定義する力「知恵」
・日常の小さな奇跡に感動する「不思議と驚き」
・科学的データが明らかにしている、人生の幸福度をたかめる「与えること」

どれも、成功条件の「お金」と「権力」とは違った、別のジャンルの価値観ですね。
本書ではこれら4つを軸として、それぞれ詳しく展開しています。

あなたも私もできる。言葉のストックで拾いあげる「第3の価値観」

私がこの本を読み終わってまず感じたことは、ここに掲げられている成功へのプロセスは、自分で無理なくリーチできる範囲だ、ということです。

すでに足元にありそうな、
手を伸ばせば届きそうな、
そんな「すぐそこ」にあるけれど取りこぼしている幸せをキャッチする術を、提示してくれています。

たとえば、著者が不満や不安を口にすると、彼女の母親がこんなアドバイスをしてくれたそうです。

「見方を変えなさい。リモコンを持っているのはあなたよ。いやな映画をもう一度見ることないでしょ」

 

筆者がメールを読みながら子供たちと話しているところを見た母親は、

「私が一番嫌いなのは『マルチタスク』よ」と。
あらゆるものと広く浅くつながれば、いちばん身近な存在と深くつながることができなくなる ー 自分自身とも。

 

この本が他の起業家本と違うところは、著者は自分に必要な言葉をいつもタイミングよくキャッチし、それらを大切に活かしてきたことです。

これって多くの人がやっていそうですが、深さが違います。
祈るように言葉を唱え、自分を鼓舞させていることに、ひときわ女性らしさを感じました。

いわゆる活躍している人の一般的な成功本とは違って、著者を成功へ導いた名言とそこから生まれた行動であふれている本なんです。

彼女の味わい深い言葉とともに、彼女がその時その時で心に拾い上げてきた(彼女を支えてきた)言葉たちが随所にちらばっています。

 

起こるべきことが私を通り過ぎることなく、私を通り過ぎたのは起こるべきでなかったこと。
それを知る私の心は平穏だ。

自分に起こったことはすべて受け入れ、自分に何も起こらなかったのは「起こるべきではなかった」ということ。
こう意識するだけで、自分に起こることと無条件に向き合え、別の方向を見定めるための見切りも早くなります。

 

「絶好の機会はあなたがいる場所にある。今いる場所と時間を軽んじるな。すべての場所が星の下にあり、すべての場所が世界の中心だ」

すべての場所が星の下、
すべての場所が世界の中心!
しびれる。

 

変化は日常の小さなステップから始まる。
日常生活こそが究極のトレーニングだ。

この言葉↑、何かしなきゃと焦りつつ、いろんな事情で自分の時間やリズムが持てないでいる女性に届けたい。
小さなことから、はじめてみよっ!って。

ふんだんに言葉を利用することで、人生は豊かになる

言葉のピックアップのジャンルの広さと、身近な人の言葉に耳を傾け、自分の内にきちんとに保管し、心に摩擦がおこったときにそっと取り出す術。
こんな風に、自分のために言葉を使いこなす様はとても参考になります。

それはたぶん、彼女のピックアップしてきた言葉と、わたしの今の心境がマッチしたことであって、また違うタイミングで読めば、別の感じ方をするかもしれません。

 

人の感情は変わるのもです。
だからこそ、そこに面白みがあるのです。

人の心に変動がないと、理解しよう、理解してもらおう、の感情の押し引きがなくなってしまい、コミュニケーションもなくなってしまいます。

こういう自分の感じたこと、受け止めたことの変化を楽しむことができるのもまた、生きがいや幸せの味わい方なんじゃないかな、と思うのです。

 

ここでは、今回の『サード・メトリック』の内容そのものには深く触れませんでしたが、本の中には瞑想の方法や睡眠や休息のとり方など、実践的なことも書かれています。

何かできそう、できるかも!
と思える内容です。
働く女性はもちろん、育児中のママさんにもオススメ。

とても読みやすい本です。
よかったら手にとってみてくださいね。

 

ここまで読んでくださったあなたへ。

この本の最後に、サイコーに素敵なセンテンスがあります。
抜粋ですが、私も最後に引用させてもらって、この記事を着地させようと思います!

あなたが立つ場所を見つけよう ー あなたの知恵と安らぎと強さの場所を。
その場所から、あなたが思い描く形に世界を作り変えよう。あなた自身の成功の定義に従って。

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