私は白洲正子さんの文章が好きでよく読み返し(写経し)ます。
そこで、彼女の夫の白洲次郎さんがキーマンとなる映画『日本独立』を観てみました。
第二次大戦後、日本の憲法を定める際に、アメリカ側が提示する案と日本側の案がなかなか一致しないシーンが印象的です。
アメリカと日本との溝がなかなか埋まらない理由のひとつに、言葉のニュアンスがありました。
たとえ内容は似通っていても、率直に表現する英語に対して、日本語は空気を含む言語です。
それを、アメリカに理解してもらえず受け入れてもらえません。
だからといって、アメリカの言う通りの文章にしてしまうと、日本国民がアメリカに押し付けられたと疑念を抱いてしまいます。
このあたりの日本とアメリカのやり取りを見ていると、言葉って大切だなと痛感しました。
単語ひとつにしても、いや、助詞ひとつ違っても、文脈はまったく別のものになり、メッセージが見当違いなところへ着地してしまう時もあります。
ネット上は、そんな繊細な言葉が軸となって、とめどなく情報を流通させているのです。
スムーズに気持ちよく、文脈をすべらせていきたいですね。