【日日是好日】自分の感情をのせる余白がちゃんと用意されている映画

    愛読書のひとつでもある、『日日是好日』(森下典子:著)の映画を観ました。

    テーマの軸となるのは茶道で、お茶室のシーンも多いですが、茶道の作法を中心としたガチガチのストーリーではなく、原作と同様に何ら特別のない淡々とした日常の中で静かに活きる茶道が映像として表現されており、感覚としても伝わってきました。

    観る人の感情が乗せられるだけの余白が、きちんと残してある。
    だから、観ていて窮屈ではなく、ストーリー中の言葉もちゃんと自分の体内に流れてくる。

    これはきっと何度もみたくなる、そう感じました。

    しかし、観るごとに感じることや、観たあとの肌触り(心触りとも言うのかな)は変わっていくと思います。
    お茶が、そのときの自分の心境や環境で変化するように、映画を観たタイミングで自分への響きも変化するからです。

    一見漠然としていて淡々としつつも、何度も観てはその時々でキャッチする感覚が変わるこういった作品が、私は好きです。

    (画像は公式サイトより)

    ところで。

    自分の好きな本が映画になる、
    これを不安に感じたことがありませんか?

    私は不安でした。

    『日日是好日』が映画になることは嬉しいけれど、自分のイメージとかけ離れてしまうんじゃないか?
    映像と活字とで、まったく違うものが出来上がってしまうんじゃないか?

    心配でした。

    私はどんな作品であっても、できれば公に評価をしたくなく、人の評価もあまり見たくないと思っています。
    作品ひとつひとつには、受け取る人の数だけ個人的感想があるので、みんな違って当たり前だからです。

    小物や道具などのレビューは購入するときの目安となり便利ですが、本や映画、音楽、絵画などは、感覚の好みが大きくわかれるので、左右されたくないのが本音です。
    (とはいえ、かなり気になりますが。笑)

     

    この『日日是好日』はというと。
    私が大切にしていた「雰囲気」がきちんと保たれていました。

    所作うつくしく、謙虚におもしろい大好きな樹木希林さんにも会えて嬉しかったです。

    「お茶はね、まず『形』なのよ。先に『形』を作っておいて、その入れ物に、後から『心』が入るものなの」

     

    • URLをコピーしました!
    Contents