さあ、なんでもいいから描いてごらん。
そう画用紙を渡されても、
大人になった私は、きっと何を描いていいのか戸惑ってしまう。
「何でもいいから」
これほど難しいお題はない。
頭の中から飛び出してくるイメージをじっと待っていても
出てくる気配はまったくなく、
ならば奥へ奥へと掘って掘って、どんどん深みへ暗闇のなかへ、あぁ・・・(笑)
かつて私にも、自由きままにハナウタでお絵描きが出来た時代があったはずで、
その頃の私は、どんな色をつかい、
どんなワクワク♪を紙面におとしていたんだろう。
前に進んでいくチカラだけをクレヨンに込めて、
ゴシゴシと塗り込んでいたんだろうなぁ。
あの頃。
私が見えていた世界は、すべて絵画だったんだ。